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標準化/特許/知的財産戦略2011

本書の概要

そこで本書では、標準化と特許の歴史から振り返り、それが時代とともにどのように変遷してきたかを見ることによって、私たちが置かれた現状に対する理解を進めたうえで、「IT」「エレクトロニクス」「通信」「エネルギー環境」等の産業技術分野において標準化が今後、企業にとってどのような意義をもつのかを考えます。

発売中

執筆者
平松 幸男(大阪工業大学大学院 教授)
小町 祐史(大阪工業大学 教授)
発行所
株式会社インプレスR&D
判型
A4判
ページ数
138P
発行日
2011/06/16
価格
CD(PDF)+冊子版:本体価格95,000円+税
CD(PDF)版:本体価格85,000円+税
カテゴリー
その他
商品コード
16416
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本書の内容

国際的に、標準化/特許/知的財産が、国や企業、大学などの今後の展開に大きな影響を与えるキーワードとして注目を集めています。そのようななか、特許を収益につなげる知的財産戦略が浮上しています。

標準化は今や企業にとって特許や知的財産と同様に重要な戦略ツールであり、すべての企業が取り組む必要がある課題です。標準化によって市場が海外にも広がり、企業の収益規模が大きく拡大する可能性があります。ただし、標準化だけでは不十分であり、もしその分野に特許が多く含まれる場合には、特許も十分に取得している必要があります。そうでないと、特許の排他効果によって市場から退場させられることになるからです。しかし現状では、日本企業は十分に標準化をツールとして活用できていないのが実情です。

そこで本書では、標準化と特許の歴史から振り返り、それが時代とともにどのように変遷してきたかを見ることによって、私たちが置かれた現状に対する理解を進めたうえで、「IT」「エレクトロニクス」「通信」「エネルギー環境」等の産業技術分野において標準化が今後、企業にとってどのような意義をもつのかを考えます。
また、標準化の場にはどのようなものがあるのか、諸外国は標準化にどのようにとり組んでいるのか、さらに特許をはじめとする知的財産と標準化の関係は何か、政府と大学の役割は何かなどを考えたうえで、日本企業が今後どのように標準化にとり組むべきかについて考えます。

日本は、2011年3月に千年に一度という大震災に見舞われ、これからの復興という想定外の課題を負ってしまいました。このような時こそ、日本の産官学の全体がシナジーを発揮できるように大きく変化することによって、産業を発展させることが必要です。標準化、特許および知的財産の戦略的な活用により、日本のグローバル化を達成することが復興に向けた最短の道であることを認識し、本書がその一助となる一冊として活用していただきたいと考えています。

■目次

はじめに

第1章 標準化とは、特許とは、知的財産権とは=3者の相関関係を整理する=
1.1 標準化とは
1.1.1 標準化:社会における指標の作成全般を指す用語
1.1.2 規格または標準:標準化した結果策定された具体的な仕様
1.2 標準化の歴史
1.2.1 最初に標準化されたもの:「言語」
1.2.2 3つの国際標準化機関:ISO、IEC、ITU
1.2.3 通信の3大発明:電信、電話、無線の発明
1.3 産業分野における標準化の事例
1.3.1 米国の事例(1):鉄道レール幅の標準化
1.3.2 米国の事例(2):消防用放水ホースのサイズの標準化
1.3.3 米国の事例(3):材料の組成と試験に関する標準化
1.3.4 英国BSIの事例:鉄とスチールの標準化
1.4 標準化の必要性とその意義
1.4.1 標準化の目的
1.4.2 標準化する3つの理由
1.5 国際的な標準化組織:ITU/ISO/IEC
1.5.1 ITU(国際電気通信連合)
1.5.2 ISO(国際標準化機構)
1.5.3 IEC(国際電気標準会議)
1.6 地域あるいは国内の標準化組織
1.6.1 地域(国内)標準化組織の役割
1.6.2 オプションと地域標準化組織
1.6.3 民間フォーラム、コンソーシアムの役割
1.6.4 デファクト標準化とその選択
1.6.5 国内標準化組織と具体的な役割
1.6.6 組織を越える標準化
1.7 特許とは、知的財産権とは
1.7.1 特許の歴史
1.7.2 特許の事例:トランジスタと集積回路に関する特許
1.7.3 特許の意義
1.7.4 各国の特許制度、知的財産権制度

第2章 標準化活動の重要性と国/企業の取り組み
2.1 標準化活動の重要性
2.2 日本の標準化への取り組み
2.2.1 ITU関連への取り組み
2.2.2 ISO・IEC関連への取り組み
2.2.3 フォーラム/コンソーシアム活動への取り組み
2.3 企業の標準化への取り組み(業界別主要企業の取り組み)
2.3.1 標準化活動の2つのタイプ:フォロー型とリード型
2.3.2 通信サービス関連企業の取り組み
2.3.3 ICT製造業者の取り組み
2.4 その他の業界の標準化への取り組み
2.4.1 自動車業界
2.4.2 ITSの現状と課題
2.4.3 鉄道
2.4.4 電力
2.5 その他業界

第3章 標準化活動と特許の関係(特許出願の仕組みと出願件数)
3.1 標準化活動の効果と特許の効果
3.1.1 製品やサービスによる収入の最大化
3.1.2 技術標準化と知的財産権の効果の関係
3.1.3 企業の研究開発と2つの判断
3.2 標準に含まれる特許の取り扱いルール(IPRポリシー)
3.2.1 IPRポリシーとは
3.2.2 IPRポリシーの限界
3.3 IPRポリシー(1):国際標準化団体(ITU-T、ITU-R、ISO/IEC)
3.3.1 ITU-Tにおける特許ポリシー・ガイドラインの検討
3.3.2 ITU-TにおけるIPRポリシーの検討状況
3.3.3 ITU-T/ITU-R/ISO/IEC共通特許ポリシー・ガイドラインの制定過程
3.3.4 ITU-Tにおける共通特許ポリシー等の発効
3.3.5 ITU-Tにおけるソフトウェアプログラム著作権の取り扱いルール
3.4 IPRポリシー(2):地域標準化組織(ETSI、ANSI、TIA、ATIS)
3.4.1 ETSIにおけるIPRポリシーの歴史と発展
3.4.2 ANSIにおけるIPRポリシーの歴史と発展
3.4.3 TIAにおけるIPRポリシーの歴史と発展
3.4.4 ATISにおけるIPRポリシーの歴史と発展
3.5 IPRポリシー(3):民間フォーラム(IETF、IEEE、3GPP、3GPP2等)におけ特許の取り扱いルール
3.5.1 IETFにおける特許の取り扱いルール
3.5.2 IEEE-SAにおける特許の取り扱いルール
3.5.3 3GPP/3GPP2における特許の取り扱いルール
3.5.4 その他民間フォーラムのIPRポリシーの例
3.6 IPRポリシー(4):日本工業規格
3.6.1 知財(知的財産権)の扱いに関する文献
3.6.2 特許権等(特許権、実用新案権)の扱いと規定
3.7 標準に含まれる特許が宣言された件数
3.7.1 国際標準化団体(ITU-T、ITU-R、ISO、IEC)における宣言書の件数
3.7.2 地域標準化組織(ETSI、ANSI、TIA、ATIS)における宣言書の件数
3.7.3 民間フォーラム(IETF、IEEE、3GPP、3GPP2など)における宣言書の件数
3.7.4 日本工業規格における宣言書の件数
3.8 過去の特許に関する訴訟事例
3.8.1 Dell(デル)の事例
3.8.2 Rambus(ランバス)の事例
3.8.3 JPEG(ジェーペグ)の事例
3.8.4 GIF(ジフ)の事例

第4章 世界各国の標準化・特許戦略=米国から欧州、日本、中国、韓国まで=
4.1 米国の標準化・特許戦略
4.1.1 ヤングレポートとパルミサーノレポート
4.1.2 TC/DOJ共同レポート
4.1.3 ANSIの標準化と特許戦略
4.2 欧州の標準化・特許戦略
4.2.1 フレームワークプログラム(FP)による研究開発・標準化戦略
4.2.2 欧州連合(EU)の標準化戦略
4.3 日本の標準化・特許戦略
4.3.1 知的財産推進計画(2003年~2010年)における戦略の推移
4.3.2 各省庁の取り組み(総務省、経済産業省)
4.4 中国の標準化・特許戦略
4.4.1 SAC(中国国家標準化管理委員会)の戦略
4.4.2 標準化の階層
4.5 韓国の標準化・特許戦略
4.5.1 KATSが推進する国家戦略
4.5.2 ETRI(韓国電子通信研究院)の戦略

第5章 企業における特許の利用とパテントプールの役割
5.1 パテントプール(特許プール)によるライセンスの仕組み
5.2 具体例:「光ディスク」に見るパテントプールの役割
5.2.1 光ディスクに含まれる各国の膨大な数の特許
5.2.2 光ディスクに関する声明書セットの内容
5.3 パテントプール会社の事例
5.3.1 MPEG-LA
5.3.2 VIA-LICENSING
5.3.3 SIPROLabTelecom
5.3.4 3GLICENSING
5.3.5 SISVEL
5.3.6 ULDAGE
5.3.7 AVS

第6章 今後の日本の取り組むべき課題
6.1 企業に求められること
6.1.1 知財戦略ではより基本的な特許を取得できるようにする
6.1.2 標準化への積極的な取り組み
6.2 政府に求められること
6.2.1 デファクト標準化への取組(企業の)支援
6.2.2 長期戦略(5年~10年スパン)の立案と確実な施行
6.2.3 新規事業の支援
6.3 研究機関・大学に求められること
6.3.1 情報通信研究機構(NICT)
6.3.2 産業技術総合研究所
6.3.3 大学がすること
6.4 まとめ

索引