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データマネジメントの実態と最新動向2024

本書の概要

データマネジメントとは、企業がデータをビジネスに活かせるように維持していく取り組みです。昨今、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進やデータドリブン経営などの観点から、データマネジメントの重要性は高まっています。
本書は、企業におけるデータマネジメントの取り組みの実態を、アンケート調査の結果をもとに多角的に分析し、明らかにします。また、データマネジメントを高度化する製品・サービスについて、主要なベンダーへの取材をもとに、各社のビジネス動向や戦略を解説します。顧客のデータマネジメントを支える企業にとって、必携の1冊です。

本書のポイント

1. 企業におけるデータマネジメントの取り組み実態に関するアンケート調査を実施
2. データマネジメント領域の概況や、製品・サービスの動向、データマネジメントをめぐる将来展望などを解説
3. 主要ベンダーへの取材をもとに、データマネジメントに関連する製品・サービスと、各社の動向・戦略を整理

発売中

執筆者

真野 正

真野 正
監修・著

海老原 吉晶

海老原 吉晶

赤 俊哉

赤 俊哉
監修

インプレス総合研究所

インプレス総合研究所
発行所
株式会社インプレス
判型
A4
ページ数
168P
発行日
2023/12/07
発行予定日
2023/12/07
価格
CD+冊子版 121,000円(税込)
CD版 110,000円(税込)
ダウンロード版 110,000円(税込)
カテゴリー
エンタープライズIT
ISBN
9784295017998
商品コード
501799
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注目の調査結果

<<「企業のデータマネジメントの取り組み実態調査」のハイライト>>
本調査では、データ品質管理やマスターデータマネジメント、データ統合やデータ基盤の構築、メタデータ整備、データアーキテクチャやデータモデリング、人材や組織など、データマネジメントにおける様々な観点の設問を通じて、企業のデータマネジメントの実態を多角的に分析しています。

調査の結果を総合すると、多くの企業のデータマネジメントは道半ばであるといえます。多くの企業でデータマネジメントをIT部門が担っており、事業部門の関与は限定的であるほか、専門組織や人材が担当するケースも少数にとどまります。また、多くの企業が、スキルを持つ人材や予算の不足を課題として挙げています。

そのような中で、マスターデータマネジメントに全社的に取り組んでいる企業が半数以下であり、メタデータを全社的に整備している企業も1割以下であることや、全社のデータを俯瞰するためのデータアーキテクチャを策定している企業も約1割にとどまることなどから、データマネジメントに関する取り組みは、部門やシステム単位で限定的に行われていることが多いと推測されます。

さらに、データの所在が明確でないことや、多くのシステムが稼働しマスターデータの一元化が困難なことを課題とする企業も多く、データを活用しようにも、散在していて統制が効かない状態であることがうかがえます。

データマネジメントに対して、業務の効率化や生産性の向上、意思決定の迅速化やDXの推進などへの期待は高い一方で、多くの企業でその取り組みは発展途上とみられます。

以下では、調査におけるトピックの一部をご紹介します。


■全社のデータを俯瞰して方針決定している企業は約1割

必要なデータを正確かつ最新の状態に保つための、重複や表記ゆれなどの不備の修正や名寄せといったデータ品質の維持・向上の活動状況を聞いたところ、「必要に応じて、システム毎にデータの品質を維持・向上する活動を行っている」が39.8%で最も高く、「部門レベルでデータの品質を維持・向上する活動を行っている」が19.2%で続いています。一方で、「全社レベルでデータの品質を維持・向上する活動を行っている」は17.3%となっています(図表1)。

【図表1. データ品質の維持・向上の活動状況】

マスターデータ(ビジネスの基本となる社員、商品、取引先などのデータ)の一貫性を維持するための取り組みであるマスターデータマネジメントの実施状況について聞いたところ、「特に共通のマスターデータはなく、システム毎に管理している」が30.8%で最も高くなっています。「部門単位で限られたマスターデータのみ整備し利用している」は15.8%であり、マスターデータを全社的に整備していない企業が半数弱となっています。一方で、残りの半数弱は「主要なマスターデータ」あるいは「一部のマスターデータ」を全社的に整備し利用しています。(図表2)。

【図表2.マスターデータマネジメントの取り組み状況】

データ品質の維持・向上の活動では6割弱、マスターデータマネジメントでは約半数の企業が、部門単位やシステム単位での取り組みとなっています。部門やシステムの単位でデータを管理することは、データ間の整合が次第に失われ、サイロ化(孤立し連携できない状態)が進む一因となります。一方で、データが増えるなかで、闇雲にデータ品質の維持・向上などに取り組むことは、コストの肥大化につながります。

こうしたことを防ぐためには、社内に散在する様々なデータを可視化し、体系的に管理するためのデータの鳥瞰図・地図であるデータアーキテクチャを策定し、全体を俯瞰した上で、必要に応じて取り組みを進めることが有効です。しかし、データアーキテクチャの策定状況を聞いたところ、策定済みである企業は約1割であり、多くの企業では策定していないことが推測されます(図表3)。

【図表3. データアーキテクチャの策定状況】


■多くの企業では散在するデータの統制が課題

データ品質に関する課題を聞いたところ、「鮮度や精度・粒度が適切でないデータがある」が70.3%で最も高く、「重複データがある」が56.0%、「どこにどんなデータが存在するのか明確でない」が53.0%で続いています(図表4)。
また、マスターデータマネジメントの課題について聞いたところ、「既に多くのシステムが稼働しており、一元化や統合が現実的でない」が48.9%で最も高くなっています(図表5)。

【図表4. データ品質に関する課題(複数回答)】

【図表5. マスターデータマネジメントの課題(複数回答)】

データ品質の課題として半数以上の企業が「どこにどんなデータが存在するのか明確でない」を挙げていることや、マスターデータマネジメントの課題として約半数の企業が「既に多くのシステムが稼働しており、一元化や統合が現実的でない」と回答していることから、多くの企業では社内に散在するデータが多岐にわたり、統制が効かない状態であることがうかがえます。

■データマネジメントへの期待は大きいが、IT投資予算に占める投資の割合では過半数が5%以下

企業がデータマネジメントに期待する効果を聞いたところ、「業務の効率化・生産性の向上」が72.6%、「意思決定の迅速化」が51.1%、「デジタルトランスフォーメーションの推進」が44.7%で続いています(図表6)。いずれも多くの企業が直面している大きな経営課題であり、データマネジメントがその解決につながると期待されています。

【図表6. データマネジメントに期待する効果(複数回答)】

一方で、企業のIT投資予算に占めるデータマネジメントに関わる投資を聞いた設問では、54.1%の企業で「5%未満」となっています(図表7)。また、データマネジメントに関わる投資の効果の明確化について聞いたところ、「明確になっている」または「ある程度は明確である」と回答した企業は合わせて1割強であり、ほとんどの企業では明確化していないと回答しています(図表8)。図表5で示したマスターデータマネジメントの課題でも、「ROI(費用対効果)が不透明で、経営層など社内の理解が得られない」を25.9%の企業が挙げています。一般的に、データマネジメントは費用対効果を明確な数値で説明することが難しく、予算を確保しにくいことがうかがえます。

【図表7. IT投資予算に占めるデータマネジメントに関わる投資の割合】

【図表8.データマネジメントに関わる投資の効果の明確化】

<<企業のデータマネジメントの取り組み実態調査 概要>>

調査目的 企業におけるデータマネジメントの活動状況やデータマネジメントを担当する人材・組織の状況を把握すること
調査対象 ・株式会社インプレスが媒体/サービスである「IT Leaders」などの読者、セミナー・イベントなどの事前登録者・受講者・来場者のうち、勤務先企業・団体のデータの維持・管理(データマネジメント)の状況を把握している方や、実務に携わっている方
・公益社団法人企業情報化協会(IT協会)の「グループCIO交流会議」参加者、および同会メール会員のうち、勤務先企業・団体のデータの維持・管理(データマネジメント)の状況を把握している方や、実務に携わっている方
調査方法 対象者にメールを送付し、Web上のアンケートフォームへ誘導
有効回答数 266人
調査期間 2023年9月22日~10月13日
調査企画・実施 株式会社インプレス インプレス総合研究所(実施協力:公益社団法人企業情報化協会(IT協会))

 

本リリースの調査結果を利用される場合は、出所の明記をお願い致します。
出所表記例:「インプレス総合研究所『データマネジメントの実態と最新動向2024』」

本書の内容

データマネジメントとは、企業がデータをビジネスに活かせるように維持していく取り組みです。近年、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進や、そのためのデータドリブン経営などの観点から、ビジネスにおけるデータの価値は高まる一方です。デジタル化が深化し、日々大量のデータが生み出されており、最近関心を集めている生成AIを含め、データを活用する技術も進化するなかで、企業にとってデータマネジメントの重要性も高まっています。
データマネジメントは、データ活用に向けた戦略や方針の策定から、運用体制やルールの整備、データの品質を維持したり、データを蓄積したりするためのシステムの構築・運用などの環境整備、セキュリティの確保など、その活動は多岐にわたります。

本書では、企業のデータマネジメントの取り組み実態を調査し、マスターデータマネジメントやデータ統合といったデータマネジメントの各領域の取り組みの状況や、組織や予算などの実状、企業が抱える課題などを解説しています。また、データマネジメントに関連する製品・サービスについて、最新動向やベンダー各社の戦略をまとめています。

第1章「データマネジメントの概況」では、データマネジメントを構成する要素やその歴史、価値を解説。また、企業へのアンケート調査の結果をもとに、日本企業におけるデータマネジメントの取り組みの実態や課題を分析しています。さらに、データマネジメントに関連する製品・サービスの最新動向や、データマネジメントをめぐる将来展望についてまとめています。

第2章「企業のデータマネジメントの取り組み実態調査」では、データマネジメントの取り組みに関する、企業へのアンケート調査結果を収録しています。

第3章「製品・サービスとベンダーの戦略」では、データマネジメント関連の製品・サービスを展開する主要なベンダーへの取材調査結果を、製品・サービスごとに収録し、特徴やビジネスの状況、事業戦略や将来展望などをまとめています。

目次

第1章 データマネジメントの概況

1.1    データマネジメントとは
1.1.1    データマネジメントの定義と構成要素
1.1.2    データマネジメントをめぐる現状と今後
1.2    企業のデータマネジメントの取り組み実態
1.2.1    データマネジメント成熟度モデルによる国内のデータマネジメントの評価
1.2.2    データの分析・活用への取り組みの実態
1.2.3    保有しているデータの状況
1.2.4    データマネジメントの実施状況
1.2.5    今後に向けた提言
1.3    製品・サービスの最新動向
1.3.1    マスターデータマネジメント/データ品質管理
1.3.2    データ統合・連携
1.3.3    データ蓄積
1.3.4    メタデータ管理
1.4    データマネジメントの将来展望

第2章 企業のデータマネジメントの取り組み実態調査

2.1    調査概要
2.1.1    調査概要
2.1.2    回答者(回答企業)のプロフィール
2.2    データ品質・マスターデータマネジメント
2.2.1    データ品質の維持・向上の活動状況
2.2.2    データ品質に関する課題
2.2.3    マスターデータマネジメントの取り組み状況
2.2.4    マスターデータマネジメントの実施手段
2.2.5    マスターデータマネジメントの課題
2.2.6    マスターデータマネジメントの担当部門
2.2.7    今後のマスターデータマネジメントの方針や将来像
2.3    データ統合・データ基盤・メタデータ整備
2.3.1    データ統合の状況
2.3.2    データ基盤に関する課題
2.3.3    メタデータにより得られる効果
2.3.4    メタデータの整備状況
2.3.5    メタデータを整備する人や組織
2.4    データアーキテクチャ・データモデリング
2.4.1    データアーキテクチャの策定状況
2.4.2    データアーキテクチャの策定へのIT部門以外の関与
2.4.3    データモデリングの実施状況
2.4.4    データモデルの策定目的
2.5    人材・組織
2.5.1    CDO(Chief Data Officer)の任命状況
2.5.2    データマネジメントを担う組織の状況
2.5.3    データマネジメントに関する人材・組織の役割
2.5.4    データマネジメントを担う人材・組織の人数
2.5.5    データマネジメントに関する人材・組織の課題
2.6    その他のトピック
2.6.1    データ分析のために収集(使用)しているデータの種類
2.6.2    データガバナンスの実施状況
2.6.3    データ分析・活用のための専門組織の設置状況
2.6.4    IT投資予算に占めるデータマネジメントに関わる投資
2.6.5    データマネジメントに関わる投資の効果の明確化
2.6.6    データの整備や活用のために利用しているツールやサービス
2.6.7    データマネジメントに期待する効果
2.6.8    バックアップツールの利用状況
2.6.9    バックアップの実施状況

第3章 製品・サービスとベンダーの戦略

3.1    マスターデータマネジメント/データ品質管理
3.1.1    SAP Master Data Governance(SAPジャパン)
3.1.2    Informatica Intelligent Master Data Management(インフォマティカ・ジャパン)
3.1.3    TIBCO EBX Software(TIBCO)
3.1.4    Oracle Enterprise Data Quality(日本オラクル)
3.2    データ統合・連携
3.2.1    Informatica Cloud Data Integration(インフォマティカ・ジャパン)
3.2.2    IBM DataStage(日本アイ・ビー・エム)
3.2.3    Talend Data Fabric(クリックテック・ジャパン)
3.2.4    ASTERIA Warp(アステリア)
3.2.5    HULFT Square(セゾン情報システムズ)
3.2.6    BoomiIntegration(Boomi Japan)
3.2.7    Denodo Platform(Denodo Technologies)
3.2.8    TIBCO Data Virtualization(TIBCO)
3.3    データ蓄積
3.3.1    Snowflake(Snowflake)
3.3.2    Oracle Autonomous Data Warehouse(日本オラクル)
3.3.3    Databricks Lakehouse Platform(データブリックス・ジャパン)
3.4    メタデータ管理
3.4.1    IBM Watson Knowledge Catalog(日本アイ・ビー・エム)

著者紹介

真野 正

執筆者名
真野 正
肩書き
株式会社データアーキテクト 代表取締役

株式会社データアーキテクト代表取締役。ITコーディネータ、システムアナリスト、データベーススペシャリスト。JDMC査読委員、DAMA日本支部会員。株式会社シーエーシー他勤務を経て2005年に独立開業しデータマネジメント、データモデリング、DB設計に関するコンサルティング、プロフェショナルサービスに従事。
著書に『実践的データモデリング入門』(翔泳社)、『ITエンジニアのためのデータベース再入門』(リックテレコム)がある。
オンライン講座に「ビジネス推進のためのデータモデリング入門」(Udemy)がある。

海老原 吉晶

執筆者名
海老原 吉晶
肩書き
株式会社NTTデータバリュー・エンジニア コーポレート管理本部

株式会社NTTデータバリュー・エンジニア コーポレート管理本部。大手電気メーカーにてデータ統合、マーケティングオートメーションなどに従事の後、2021年より現職。滋賀大学データサイエンス学部客員研究員。2011年より(社)日本データマネジメント・コンソーシアム(JDMC)、(社)日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)にてデータマネジメントの調査・研究を行う。共著に『経営のためのデータマネジメント入門』(中央経済社)、『データ経営が日本を変える!』(JUAS)がある。

赤 俊哉

執筆者名
赤 俊哉

ITエンジニア/コンサルタント。下請けプログラマーを経て、ベンダー企業のSE、ユーザー企業のデジタル担当、現場といった様々な立場でITに関わってきた経験を基に上流工程、データを中心に活動中。「データ中心型ビジネスアプローチ(DOBA)」を積極的に提唱している。
著書に『SE職場の真実』(日経BP)、『システム設計のセオリー』『要件定義のセオリー』(リックテレコム)、共著に『データ経営が日本を変える!』(JUAS)、『システム設計のセオリーⅡ-クラウドベース開発』(リックテレコム)がある。
連載記事に「どんづまりから見上げた空」(日経xTECH)があるほか、執筆記事多数。

インプレス総合研究所

執筆者名
インプレス総合研究所

インプレスグループのシンクタンク部門として2004年に発足。2014年4月に現在の「インプレス総合研究所」へ改称。インターネットに代表される情報通信(TELECOM)、デジタル技術(TECHNOLOGY)、メディア(MEDIA)の3つの分野に関する理解と経験をもとに、いまインターネットが起こそうとしている産業の変革に注目し、調査・研究およびプロフェッショナル向けクロスメディア出版の企画・編集・プロデュースを行っている。メディアカンパニーとしての情報の吸収力、取材の機動力を生かし、さらにはメディアを使った定量調査手法と分析を加えて、今後の市場の方向性を探り、調査報告書の発行、カスタム調査、コンサルティング、セミナー企画・主催、調査データ販売などを行っている。